会社にバレないように副業したい!年末調整や住民税でバレるって本当?

近年働き方改革により副業OKの会社も増えてきました。

ですが、まだまだ副業禁止の企業も多く存在しています。

副業禁止だけど、会社にバレず副業フリーランスの仕事をしたい!と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、副業はなぜ禁止されているのか?バレる可能性がある経緯とその対策を解説していきます

目次

副業ってなんで禁止なの?法律上は?

そもそも ”副業を禁止” にしているのは、「法律」ではなく会社の「就業規則」です。

なので、副業をしているのが会社にバレても、違法行為ではありません

なぜ就業規則で禁止されているのかというと、従業員の副業は会社にとってほぼデメリットしかないからだと思います…。

副業禁止の理由とは?
  1. 本業の仕事に専念してほしい
  2. 長時間労働になる、労働時間の通算等管理が大変になる
  3. 企業の情報漏えいリスク回避
  4. 副業内容や活動によって企業の信頼を落とす可能性がある

会社からすると「給与を払って雇っているんだから、うつつを抜かしとらんと本業に専念して!!」といったところが本音です。(正論っちゃ正論)


そして他の会社とも雇用契約を結んだ場合、自社と副業先の会社との労働時間を通算・把握する必要があります。

1日8h・1週40hの法定労働時間を超えるのか、通算時間は時間外労働締結:通称36協定の範囲内なのか…など、管理がかなり煩雑になるのでぶっちゃけ嫌がられます

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001079956.pdf

ただし、業務委託によるフリーランスの仕事は雇用関係がないので、労働時間の通算は不要

仮に本業と業務が重なる副業であれば、会社独自のノウハウや顧客データなど情報漏えいの可能性が高まります。

会社と自分のPCを繋いでウイルス感染…など、意図せずとも多大な損害を与えるケースは禁止しておきたい…というのもうなずけますね。

昨今ではSNSで積極的に仕事をとる人が増え、中には本名や個人が特定できる名前でアカウントを運営している人が多く存在します。

例えば大手企業のSEとして勤務している場合、企業名を出した方が信頼度が高まるのでプロフィールに記載するケースは十分考えられますよね

ただ、そのアカウントで炎上してしまったり、クライアントにぞんざいな態度をとっていると、「〇〇会社ってやばいやついるんだな… 」とマイナスイメージを植え付けてしまうのです。

本来会社が悪くなくても確実にイメージが悪くなり、会社の利益にまで影響を及ぼしてしまう…なんてことには絶対に阻止したいと考えるのは当然だと思います。

みね

会社の都合ばっかじゃん!と思うけど、
これがサラリーマンの辛いところだ…

  • 副業禁止の会社でバレた場合の罰則は、就業規則より確認できます
  • 悪質なケースは懲戒解雇(クビ)になりかねませんのでご留意ください

副業バレの可能性があるのは…

それでは副業が会社にバレてしまうのはどのようなケースでしょうか?

先ほど記載したようなSNSアカウント以外だと、
❶年末調整時の申告書 ❷住民税の金額 です。

筆者のような給与計算の担当者が見つければバレる可能性が高まりますが、ぶっちゃけた話よっぽどな額じゃないと気に留めません

というのも、何百人・何千人分の年末調整資料や住民税の金額を事細かくチェックする余裕はないからです。


事業規模が小さければ違和感を持つ担当者もいるかもしれませんが、中〜大規模の会社だとほぼバレないんじゃないかな…。

少し脱線しましたが、具体的な❶❷のケースを見てみましょう

❶年末調整時の基礎控除申告書でバレる

年末調整のタイミングで会社から何枚か用紙を配布されると思いますが、
そのうちの1枚である「給与所得者の基礎控除申告書」に副業所得を書くとバレる可能性が高まります。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001079956.pdf

この用紙見たことある!!
ていうか、給与年収以外も書くの?!

みね

うん、副業してたら基本的には概算所得を書くんだよ〜

まずこの給与所得者の基礎控除申告書は、”本人の基礎控除額(48万〜16万)”はどれになるか?を判定するための書類。

給与以外の所得について会社は把握していないので、書いてもらい総合的な年間所得から基礎控除額を判定します。

基本的には(2)給与所得以外の所得の合計額 にざっくりとした副業所得(収益−経費)を書く必要があります
この欄を埋めている人はあまりいないので目立つといえば目立ちます…

副業所得以外にも、配当所得や不動産所得・仮想通貨の利益などさまざまな所得があるので、
バレたくない人は、「今年は投資で利益が出たんだ!」など聞かれたときの理由を作っておくといいかもしれません。

よくある勘違いで、この基礎控除申告書に給与以外の所得を記載したからといって、給与以外の所得の税金は精算・申告されていません


会社は給与や賞与から所得税を引いているので、所得税の過不足精算のために年末調整をしています。副業所得やその他確定申告が必要な所得は、必ずご自身で行なってください

みね

転職してきた人には前職の退職金額を書いてもらうんだけど、
説明不足だともらった退職金も足したら税金上がるんじゃ?!
不安がらせちゃうこともあったな〜

みね夫

なかなかマニアックなところだから、説明が難しいよね〜

❷住民税の金額が上がりすぎてバレる

従業員の住民税年額通知は、毎年5~6月頃に会社へ届きます。

昨年度と比べて住民税額が何倍にもなっていたり、本人たちに配布する「住民税額決定通知書」の所得欄に副業収入分が記載されていれば、バレる可能性は高まります

例えば住民税額が 1万円 から 3万円 にあがっていると、
給与計算ソフトへの取込時や給与を一覧で確認できる賃金台帳で見たときに、「給与所得以外もあるかも?」と違和感を感じる担当者もいるかもしれません。

そして配布前に「住民税額決定通知書」で所得欄を見れば、副業所得がバレる可能性…!

みね

この所得部分や住民税額が隠れるように
袋とじになっている市もあるよ〜
住民税額は別途一覧データから確認しているんだ

その通知書だと給与担当者は住民税額しか分からないから、
副業バレのリスクは低くなるんだね!

ただし、そこまで確認する担当者はそうそういないのでは…というのが正直な感想。

というのも新しい住民税のデータ取り込みや配布準備など忙しく、1人ずつ所得を確認する暇はない!!

そして、給与所得会社から税務署へ報告しますが、その他所得本人から税務署への確定申告となるので、最終的な所得は会社が把握する必要はないというのも理由です。

みね

副業所得100万円で住民税額は+10万円/年程度
月割りだと約8千円プラスだから、やや違和感あるかな〜

みね夫

その年めっちゃ忙しくて残業が多かった人だと
それぐらい上がる可能性あるよね〜

副業バレを防ぐ方法とは?

会社にバレてしまうケースは、❶年末調整時の申告書 ❷住民税の金額 と記載しましたが、防げる方法はあるのでしょうか?

答えとしては、あるっちゃあるです。

特に❶の申告書はやや強行手段ですが)どのようにするか見ていきましょう!

❶年末調整時の申告書

先ほど記載した通り給与所得者の基礎控除申告書は ”本人の基礎控除額(48万〜16万)” を判定するための書類であり、
ほとんどの人は合計所得が2,400万円以下なので、48万円に当てはまる方が多いです。

この48万円で正しいか?を確定させたいので、給与所得+副業所得が2,400万円以下なら、副業所得分を書かないという強行手段です。

年末調整は10~11月に配布されるので、(2)給与所得以外の所得の合計額 は概算の金額。
12月に赤字になる可能性もなくはない…ため、不確定と半ば強引に理由をつけて空欄にします。

  • 副業所得分を記載しなくても罰則はありませんが、確定申告は必ず実施してください
  • 配偶者控除を受けたい方は、給与所得+副業所得が1,000万円以下なら対象です

❷住民税の金額

こちらは強行ではなく正式な手段なのでご安心ください

副業所得が20万円を超えると確定申告を実施する必要がありますが、申告時に住民税の徴収方法を選択する画面があります。
そこで「自分で納付」を選択するだけでOK!

住民税は、給与や年金から毎月引かれる特別徴収という形が推奨されていますが、
個人事業主など給与所得がない方は、自治体から送られてくる納付書で支払う普通徴収という形をとります。

こちらの画面で「自分で納付」を選択すると、給与分の住民税は給与天引・それ以外の住民税は自分で支払うことができます◎

みね

ただし、住民税はわりと修正が多いので、
心配な人は4月ぐらいに自治体に電話で確認すると良し!

みね夫

「自分が住んでいる市 普通徴収」で検索すると、
電話番号が出てくるよ〜

【まとめ】対策を講じれば副業は会社にバレない!

副業が会社にバレる可能性があるケースを2パターン解説しましたが、いかがでしたか?

まず副業が禁止されているのは、法律ではなく会社の就業規則です。
なので、副業可能な会社もあれば禁止にしている会社もあります。

禁止にしている大きな理由は「会社にとってデメリットの方が多い」から。


副業がバレてしまった場合、初回は戒告やけん責(厳重注意・始末書など)になると思いますが、複数回注意されたり悪質なケースだと懲戒解雇(クビ)になりかねませんので、ご留意ください。

そして会社に副業がバレる可能性があるのは、❶年末調整時の申告書 ❷住民税の金額 です。

副業がバレるケース
❶年末調整時の申告書

年末調整時に提出する「給与所得者の基礎控除申告書」に給与以外の所得を書く欄があるため
つまり、基本的には副業所得も記載する必要がある

❷住民税の金額

毎年5~6月に配布される「住民税額決定通知書」の住民税額が前年より何倍にもなっている
通知書に確定申告後の副業所得が記載されているとよりバレやすい

会社といっても上司ではなく、給与担当者が事細かくチェックしているとバレる可能性が高まります!
ただし、筆者のような担当者からすると、よっぽど高額でないと気に留めません。

また、バレないように対策を講じることも可能…といえば可能です

副業バレを防ぐ方法
❶年末調整時の申告書

給与所得+副業所得が2,400万円以下なら、副業所得も記載しない(強行手段

▶︎この基礎控除申告書とは”本人の基礎控除額(48万〜16万)” を判定するためであり、
 所得2,400万円以下=基礎控除額48万円 なので、副業所得を書いても書かなくても同じだからです

❷住民税の金額

確定申告時に自分で納付を選択する(正式な手段◎)

▶︎自分で納付を選択すると、給与天引きの住民税とは異なり自宅に納付書が送付されます

個人的には、副業といってもフリーランスのように
雇用関係を結ばず、業務委託として受注する
本業に支障が出ない、会社に迷惑をかけない
であれば、本人のスキルアップになるのでいいんじゃないかな〜…とも考えています。

みね

副業禁止だったけど人事部へ直談判して
規則変えてもらったという猛者がいたよ…!

労務・給与担当者としては「副業禁止の会社でもこっそりとできるよ!!」というのは決してオススメできることではありませんが、実情としては可能であることを今回はお伝えしました。

解雇になってしまうような行動だったり、所得をごまかすために確定申告をしない…など無茶なことはせず、副業の仕事に取り組みましょう!

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